こうのとり H2Bロケットで打ち上げ成功 宇宙基地に物資補給 [こうのとり打ち上げ]
19日午後8時50分、鹿児島県の種子島宇宙センター
から打ち上げられた、「こうのとり」5号の打ち上げは成
功した。
ステーションには5日後に到着予定で、滞在中の油井亀
美也さん(45)がロボットアームを使って宇宙ステーション
に取り付ける。
H2Bは5回の打ち上げに全て成功した。
こうのとり5号機
こうのとり5号機には、滞在中の宇宙飛行士のための水や食料のほか、宇宙最大の謎の一つ「暗黒物質」の観測装置「CALET(キャレット)」や、マウスなどの小動物を飼育できる実験装置など計5.5トンの物資が積まれている。
H2Bロケット
H2Bは、こうのとり打ち上げを主目的に、主力ロケットH2Aを改良してJAXA(宇宙航空研究開発機構)と三菱重工業が共同開発。2009年の1号機以降、5回連続の打ち上げ成功となった。H2Aと合わせた成功率は97%(33回中32回成功)となった。今回の事業費総額は約360億円。
日本の存在感をアピール
国際宇宙ステーション(ISS)に物資を届ける米国とロシアの補給機が立て続けに失敗する中、日本の「こうのとり」が5回連続で打ち上げに成功し、日本の存在感をアピールする結果となった。ただ、高額な打ち上げ費用には政府内に批判があり、今後はコスト削減と信頼性の両立が課題となる。
国際宇宙ステーション(ISS)への物資補給
ISSへの物資補給はこうのとりのほか、米民間企業2社の「シグナス」と「ドラゴン」、ロシア宇宙庁の「プログレス」が担うが、昨年10月にシグナスが打ち上げに失敗。今年に入ってからも4月にプログレス、6月にドラゴンが失敗した。星出彰彦・宇宙飛行士(46)は「失敗のないこうのとりは今やISSの物流の根幹を担っている」と指摘する。
Reference:毎日新聞