中国天津爆発、住民に不安 現場に残る大量の危険化学物質の処理が深刻 [天津爆発事故]
中国・天津市の「浜海新区」で12日に起きた爆発事故は、
現場に残る大量の危険化学物質の処理が深刻な課題に
なっている。
保管されていた危険化学物質は約40種、計約3千トン
爆発現場は国内外に運ばれるのを待つ化学物質が保管される施設だった。保管されていた危険化学物質は約40種、計約3千トン。19日、市は現場に残る化学物質について、硝酸アンモニウムや硝酸カリウムなどの酸化物が約1300トン、ナトリウムやマグネシウムなどの可燃性の高い物質が約500トン、シアン化ナトリウムなどの毒物が約700トンあると明らかにした。
倉庫会社幹部が「安全認可獲得でコネ利用」と告白
中国国営の新華社は19日、これまでに114人の死亡が確認された天津市の大規模爆発事故に絡み、現場の化学物質倉庫を所有する企業の幹部らが防火や安全管理の審査を通過するために当局との「関係(コネクション)」を利用していたと伝えた。この企業の幹部、董社軒氏(34)は「私は警察や消防当局とコネがある。私が彼らに資料を渡せば、すぐに認可をくれた」と話した。贈賄の事実には触れなかったという。
天津市の「浜海新区」、港の復旧も見通せず
住民の暮らしや港の復旧を阻む大きな壁が、爆発現場に保管されていた危険化学物質だ。18日には爆発後初めて雨が降り、土壌などの汚染も心配されている。有毒ガスなどの断片情報が駆け巡り、住民の不安は募るばかり。港の復旧も見通せず、日系企業を含む経済への影響の長期化は避けられない情勢だ。
爆発前の簡易宿泊施設付近