初飛行のMRJ、1年半後の納入に間に合うか すでに407機を受注、初号機はANAへ納入 [MRJ]
MRJが参入するリージョナル機市場は、欧米の更新需要に加え
アジア、中南米で地域路線の整備が進められていることから、
今後20年で少なくとも3000機以上の新規需要が見込まれている。
これまでブラジルのエンブラエルとカナダのボンバルディアが2分してきた成長市場に、「日の丸」三菱が割って入ることになる。
MRJは燃費性能が20%以上向上、「次世代機」としての前評判は高い
MRJは空気抵抗を極力抑えた機体設計や最新鋭エンジンの採用で、従来の同型ジェット機と比較して燃費性能が20%以上向上するなど、「次世代機」としての前評判は高い。
受注がすでに407機
すでにANA(全日本空輸)、JAL(日本航空)や米大手リージョナルエアラインから計407機の受注を獲得している。初号機はANAに引き渡され、納入時期は2017年4~6月を予定している。
認証のため1500回、2500時間に及ぶ飛行、離発着テストで安全性を徹底的に検証する必要
もっとも、初飛行を終えたとはいえ飛行試験がようやく始まったにすぎない。航空各社に納入するには、国の航空当局による認証(型式証明)を得る必要があり、これが最大の関門となる。そのため、これから1年半かけて主に米国で1500回、2500時間に及ぶ飛行、離発着テストを行い、機体設計の安全性を徹底的に検証する。
MRJビジネスの早期軌道化に向け開発と量産化を同時進行
今後はMRJビジネスの早期軌道化に向け、スケジュールをにらみながら慎重かつ迅速に開発と量産化を同時並行で進めなければならない。産みの苦しみはこれからが本番だ。
国産初のジェット旅客機「MRJ」の初飛行 [MRJ]
三菱重工業(Mitsubishi Heavy Industries)が開発を進める
国産初の小型ジェット旅客機「三菱リージョナルジェット(MRJ)」が
11日、愛知県営名古屋空港で初飛行を行った。
日本の航空業界の新たな時代の幕開け
日本で旅客機が製造されたのは、1962年のプロペラ機「YS11」以来。同機はその約10年後に生産を終了している。MRJは、日本の航空業界にとって新たな時代の幕開けとなる。
70~90席クラスのMRJはエアバス機と競合しないが、初の日本産ジェット旅客機に欧州の巨大メーカーも注目していることがうかがえる。
MRJは全世界のリージョナル(地域)路線で運航可能
MRJの特徴は、従来のリージョナルジェットを大きく上回る運航経済性、広い空間を確保した客室、排出ガス・騒音を大幅に低減した環境技術など。MRJ90ER(座席数88席、航続距離2870km)は全世界のリージョナル(地域)路線で運航可能。三菱航空機と三菱重工業は再来年の第2四半期に量産初号機納入を計画している。