謎の円高進行、1ドル105円に低下も?円高が進む事情 [円高]
円は今週、対ドルで3%余り上昇した。
これは週間ベースで2月以来の大幅な上げ。
日本の国債利回りは多くの年限でマイナスとなっており、
表向きには円の魅力が減退していることを考慮すれば、
円高進行はあり得ないように見える。
円相場は1ドル=108円07銭で今週を終えた。7日には一時107円67銭と、14年10月下旬以来の水準まで円高が進んだ。
1ドル=105円に
しかしモルガン・スタンレーとソシエテ・ジェネラルは、主要通貨の中で円が対ドルで最も上昇している理由について説明するため、実質利回りから見た米国の優位性の後退を示す指標を挙げた。
「実質利回りが高水準にとどまれば、資本輸出の意欲をそぎ、他の要因が全て同じと仮定すれば、対円でドルに売り圧力がかかる」と指摘した。
9月末までに1ドル=105円に下げると予想する。
短期的には円高に向けた勢い
ソシエテ・ジェネラルのストラテジスト、アルビン・タン氏(ロンドン在勤)は4月7日付のリポートで、「最近の円高は日本のインフレ期待の低下が招いたものだ。日本の名目利回りはマイナスとなっているものの、実質利回りは米欧との比較で高くなってきている。従って、少なくとも短期的にはファンダメンタル面から円高に向けた勢いがある」と指摘した。
Reference:2016 Bloomberg